種徳会NEWS 鯨井会計メールマガジン 2026年5月号
新緑の候、貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り、心から感謝いたしております。
5月号を担当させていただきます株式会社 鯨井会計 山中と申します。
新緑の季節を迎え、経営環境もまた大きな転換期を迎えています。
去る4月24日、経済産業省より「2026年版 中小企業白書・小規模企業白書」が公表されました。
今年の白書では「現状維持は最大のリスクである」という非常に力強く、かつ危機感を伴うメッセージを発信しています。
1. 「労働供給制約社会」の到来と賃上げの必然性
今回の白書において、最も注目すべきキーワードの一つが「労働供給制約社会」です。
これまでの「人手不足」という言葉から一歩踏み込み、もはや労働力そのものが物理的に不足する時代が本格化することを明言しています。
2025年度の最低賃金は全国加重平均で前年度比+6.3%となり、ついに全国平均で1,000円の大台を突破しました。
茨城県も1,074円まで上がってきております。
白書では、賃上げは大企業だけの問題ではなく、日本経済成長のために「持続的な賃上げ」が不可欠であると説いています。
しかし、中小企業の労働分配率はすでに高い水準にあり、これ以上の人件費アップは、そのまま経営を圧迫しかねません。
「賃上げをしたいが、原資がない」 この切実な課題に対し、白書は「稼ぐ力(労働生産性)」の強化という解決策を提示しています。
2. 「稼ぐ力」を高めるための二本柱:付加価値増と最適化
白書によれば、中小企業の中でも「稼ぐ力」には大きなばらつきがあり、大企業を上回る生産性を実現している中小企業も存在します。
その共通点は、以下の2点に集約されます。
・ 付加価値の増大(価格転嫁と差別化) : 適切な「価格転嫁」ができている企業ほど、利益率が高いというデータが出ています。
特に、製品・サービスごとの詳細な「原価管理」を行っている企業は、価格交渉の根拠を明確に提示できるため、転嫁に成功しやすい傾向があります。
・ 労働投入量の最適化(DXと業務改善) : 限られた人員で最大の成果を出すためのIT投資や、業務の「見える化・標準化」が急務です。
3. 経営者が持つべき「経営リテラシー」の再定義
今回の白書で特筆すべきは、小規模事業者に対して「経営リテラシー」の強化を強く求めている点です。 「勘と経験」に頼る経営から脱却し、以下の知識を実践することが「強い中小企業」への道であるとされています。
・ 正確な財務把握 : 損益分岐点やキャッシュフローをリアルタイムで把握すること。
・ 労務管理の高度化 : 従業員のエンゲージメントを高め、離職を防ぐ仕組み作り。
・ 外部との連携 : M&Aや共同受注など、自社にないリソースを外部と補い合う戦略。
白書が示す「強い中小企業」への変革は、一朝一夕には成し遂げられません。
しかし、まずは以下の2点から着手することをお勧めします。
① 「どんぶり勘定」からの完全脱却
価格転嫁を行うには、「なぜこの価格が必要なのか」を説明する数字の裏付けが必要です。
材料費、労務費、エネルギーコストを細分化した「原価計算」を今一度見直してみてはいかがでしょうか。
② 長期的な「投資」としての賃上げ計画
人件費を「コスト」ではなく「未来への投資」と捉え、3年~5年スパンでの昇給計画と、それに連動した売上目標を策定することが重要です。
最後に「2026年版 中小企業白書」は、私たちに「変わること」を強く促しています。
厳しい環境下ではありますが、変化をチャンスに変え、付加価値を高めていくプロセスこそが、企業の寿命を延ばす唯一の道です。
当事務所では、「中期経営計画の策定」や「IT導入による生産性向上」のサポートを強化しております。 ぜひお気軽にご相談ください。
今後とも変わらぬご愛顧を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
5月の税務カレンダー
1 4月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付
納付期限【5月11日】
2 特別農業所得者の承認申請
申請期限【5月15日】
3 個人の道府県民税及び市町村民税の特別徴収税額の通知
通知方法…特別徴収義務者経由,納税義務者へ通知
通知期限【6月1日】
4 3月決算法人の確定申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税(・法人事業所税)・法人住民税>
申告期限【6月1日】
5 3月,6月,9月,12月決算法人・個人事業者の3月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
申告期限【6月1日】
6 法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
申告期限【6月1日】
7 9月決算法人の中間申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)
申告期限【6月1日】
8 消費税の年税額が400万円超の6月,9月,12月決算法人・個人事業者の3月ごとの中間申告<消費税・地方消費税>
申告期限【6月1日】
9 消費税の年税額が4,800万円超の2月,3月決算法人を除く法人・個人事業者の1月ごとの中間申告(1月決算法人は2か月分,個人事業者は3か月分)<消費税・地方消費税>
申告期限【6月1日】
10 確定申告税額の延納届出に係る延納税額の納付
納付期限【6月1日】
11 自動車税(種別割)の納付
賦課期日…4月1日
納付期限【5月中において都道府県の条例で定める日】
12 鉱区税の納付
賦課期日…4月1日
納付期限【5月中において都道府県の条例で定める日】
6月の税務カレンダー
1 5月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額・納期の特例を受けている者の住民税の特別徴収税額(前年12月~当年5月分)の納付
納付期限【6月10日】
2 所得税の予定納税額の通知
通知期限【6月15日】
3 4月決算法人の確定申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税(・法人事業所税)・法人住民税>
申告期限【6月30日】
4 1月,4月,7月,10月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
申告期限【6月30日】
5 法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
申告期限【6月30日】
6 10月決算法人の中間申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)
申告期限【6月30日】
7 消費税の年税額が400万円超の1月,7月,10月決算法人の3月ごとの中間申告<消費税・地方消費税>
申告期限【6月30日】
8 消費税の年税額が4,800万円超の3月,4月決算法人を除く法人・個人事業者の1月ごとの中間申告(2月決算法人は2か月分)<消費税・地方消費税>
申告期限【6月30日】
9 国外財産調書・財産債務調書の提出
提出期限【6月30日】
10 個人の道府県民税及び市町村民税の納付(第1期分)
納付期限【6月,8月,10月及び1月中(均等割のみを課する場合にあっては6月中)において市町村の条例で定める日】
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